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「文学とは何か (2)『悪との戦い』」

物語は、基本的には「悪との戦い」がテーマになります。

それは、「個人の中の葛藤」なども含みます。

悪とは何か。

ミステリー小説で言えば、

最初に起こる殺人・殺人犯が「悪」ということになります。

これは、「原罪」および、その後に続く「カインによる殺人」に当たります。

ちなみに、なぜ「ミステリー小説」を例とするかと言えば、

ミステリー小説は比較的「俗」・「肉」であり目に見えやすいことと、

そもそも「ミステリー」という言葉が「神秘」ということであり、

神について知ることの例えになりやすいからです。

犯人が、「殺害し、アリバイ作りをし・・・」というのは、

すなわち、「知恵」を使ったわけです。

そして、これ(殺害)は、非常に「簡単な解決法」です。

つまり、「問題を肉体によって解決しようとした」ということです。

これは「低俗」、「卑劣」を意味し、

「知恵の実を食べよ」とそそのかしたヘビに対応します。

「地をはうヘビ」というのは、「簡単、安易、低俗」を意味します。

悪は、「低俗さ」、「卑劣さ」を武器に、最初は優勢です。

殺人の現場は誰も見ていないのです。(霊は目に見えない)

彼を有罪にするためには証拠を集めないといけない。

これは、「原罪による労苦・産みの苦しみ」に対応します。

しかし、最後は「真実」が勝利する、ということになります。

「真実」と「状況」のとりなし・仲裁をして解決するのが「名探偵」であり、

これがキリストの型になっています。(労苦する人間もキリストの一部です)

すべての現象は「つじつまが合う」、「一点に収束する」のです。

(これが「未だ収束せず」で終わる場合は「悲劇」ということになります)

もちろん、「名探偵の推理」は人間的なものですが、

世界を完成させる神のわざは完璧なものです。

この過程を、「肉」に落として描写されたものが「物語」となります。

>主なる神はへびに言われた、「おまえは、この事をしたので、

>すべての家畜、野のすべての獣のうち、最ものろわれる。

>おまえは腹で、這いあるき、一生、ちりを食べるであろう。

>わたしは恨みをおく、おまえと女とのあいだに、

>おまえのすえと女のすえとの間に。

>彼(引用者注:キリストのこと)はおまえのかしらを砕き、

>おまえは彼のかかとを砕くであろう」   (創世記)


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