「文学とは何か (4)『面白さ』の源泉」
「面白い作品」とは何でしょうか。
完全なフィクションであっても、
それが面白かったり、そうでなかったりするのは、
不思議と言えば、不思議なことです。
「現実」(肉)と無関係な作品が「面白い」のだとすれば、
それは「目に見えないもの」(すなわち霊)と関わっている、
ということになります。
それが「論理」ということになります。
主人公は「とりなす者」ですが、その「とりなし」は、
論理的であるほど「よい」ということになります。
名探偵の推理が、「論理的」なのは当然ですが、
例えば、恋愛小説でも、戦記物でも、
やはり「論理」が求められるのです。
「なるほど、二人は結ばれるべきだ」、
「なるほど、彼は勝つべきだ」、
とさせるのは、論理です。
論理は愛であり、力でもあります。
読者とは論理と交わりたい存在です。
「面白さ」とは「論理的であること」です。
文学は、キリストと世界の模型なわけですが、
これは、「キリストは論理である」ことを示しています。
名探偵は「論理的」ですが、キリストは論理(ロゴス)です。
キリストは完全に論理なので、完全に復活し、
完全に神と人を一つにし、完全に世界を統治するのです。