基本原理が変わる
図1上のように、各時代で、
「自然」、「身体」、「政治」、「経済」
というように基本原理が変わります。
このように変化があるので、
現代ではピラミットは作られてないわけです。
図1下は、この各原理を取り出したものです。
このような「原理の変遷」はあらゆることで
成り立っています。
それらを、
・子供の遊び
・スポーツ
・産業
・メディア
の4つの例で具体的に見ていきます。
子供の遊び
図2下は、子供の遊びの変遷です。
子供の遊びは、
「天真爛漫(自然)→砂遊び(身体)→鬼ごっこ(政治)→カード交換(経済)」
というように、年齢が上がるにつれて、遊びが変わっていきます。
・天真爛漫 (自然)→ 無邪気に → エデンに対応 (無垢なる自然)
・砂遊び (身体)→ 見えるもの・触れるもの → ピラミッド時代 (ピラミッド)
・鬼ごっこ (政治)→ 中心による秩序 → 古代ローマ時代 (ローマ皇帝)
・カード交換 (経済)→ 貨幣的な交換・蓄積 → 資本主義時代 (貨幣社会)
子供の遊びは、このような変遷をたどります。
これは人類の歴史と相似になっています。
すなわち、
・ピラミッド時代 → 「人類の砂遊びの時代」
・古代ローマ時代 → 「人類の鬼ごっこの時代」
・資本主義時代 → 「人類のカード交換の時代」
と言うことができます。
スポーツ
図3下はスポーツの変遷です。
スポーツは、
「アウトドア(自然)→格闘技(身体)→フットボール(政治)→ゴルフ(経済)」
というように、「原始的なもの」から始まって、
「道具を使う」、「ボールが固く小さくなる」、「空間的になる」というように、
より「文明的なもの」へと変遷していきます。
・アウトドア (自然)→ 自然の中で
・格闘技 (身体)→ 身体的なやり取り
・フットボール (政治)→ ボールが秩序の中心(王、生贄)、陣取りゲーム(領土、議席)
・ゴルフ (経済)→ スコア(通貨性)、道具を使う(文明の利器)、空間的
ちなみに、すべてのスポーツは、十字のどこかに位置づけられます。
「種類」、「多様性」は、「十字のどこに位置するか」と言えます。
例えば、野球なら「フットボールとゴルフの間」というようにです。
(「人格」もこのように決められています。)
こちらは、後ほど詳しく説明します。
産業
図3下は産業の変遷です。
産業も、
「牧農(自然)→農業(身体)→工業(政治)→商業(経済)」
というように、文明化されていきます
(「農業(第一次産業)→工業(第二次産業)→商業(第三次産業)」に対応)
・牧農 (自然)→ 自然に近い
・農業 (身体)→ 衣食住など身体に関わる産業、全身を使う作業
・工業 (政治)→ 土木(公共事業)、経営者と労働者、工場は集中的に存在
・商業 (経済)→ 貨幣的な交換による秩序、商店は遍在し浸透する存在
となります。
工業が「政治」ということについて説明します。
土木(道路や治水など)が政治というのはわかりやすいでしょう。
製造業は「経営者と労働者」というように政治的な組織の傾向が強くなります。
あり方としても、工場は農地や商店よりも集中的です。
また、工業製品も「とりなし」(政治)をするものです。
「はさみ」であれば、「はさみ」という「集中した存在」が、
「人と紙の間に入ってとりなす」(政治)わけです。
「政治」には、「集中」(独占)と「とりなし」という性質があります。
メディア
図4の下はメディアの変遷です。
「話す(自然)→出版(身体)→放送(政治)→ネット(経済)」
という発展があります。
・話す (自然) → 自然に近い
・出版 (身体) → 見えて触れる書籍、直接的・対峙的
・放送 (政治) → 放送局という中心、免許事業、大衆をとりなす存在
・ネット (経済) → 情報が貨幣的に交換・遍在
放送とネットでは、「政治」と「経済」の対比が明白になります。
放送は放送局という中心があるのに対して、
インターネットでは、そのような中心がありません。
また、放送局による放送は免許事業(政治的承認)ですが、
これは独占的な事業だからであり、「政治性」と合致したものです。
放送には「とりなす」という性質もインターネットより明白です。
例えば、「政治家と大衆(国民)の間に入る」など、「上と下のとりなし」に関与し、
(あくまでも、権力秩序においては、政治家が大衆の内の個々人より「上」ということです。)
「大衆(国民)的スター」を生み出すなど、「横同士のとりなし」にも関与します。
まとめ
以上をまとめたものです。
図は、関係を図式化したものです。
・自然 → 調和・無垢 (原初)
・身体 → 単体・包摂 (対峙的)
・政治 → 集中・仲裁 (とりなし)
・経済 → 遍在・浸透 (貨幣的)
を表します。
「自然」は、
原初的な「調和性・無垢性」
を示します。
「素朴に存在する」という状態です。
「身体」の「単体性」というのは、
「組織化されていない」ということで、
単体同士の、一対一の関係になります。
また、「包摂性」というは、
「包む・包まれる」という関係を示します。
身体性をあらわす「衣食住」は、
服、口、家と、すべて「包むもの」です。
また、ピラミッドも「入れ物」です。
「身体」は「人間を包む入れ物」です。
「政治」の「集中性・仲裁性」は、
王のような集中的・独占的な存在が、
多数を仲裁するような関係を示します。
「経済」の「遍在性・浸透性」は、
貨幣やネットのように、
中心を持たず遍在し、(どこにでもある)
浸透する関係を示します。(一体化)
第1部 第二章 (1)各原理