第1部 第五章 (1)十字の「縦」と「横」
図4 聖と義
図1 縦と横
図3 縦と横とその交わり
図2 縦と横の例
図2・上段のように、
「山(縦)と海(横)」、「火(縦)と水(横)」の関係は、
「縦と横」の関係になっています。
「男と女」、「神と人」もこのような「縦と横」の関係にあります。
「男と女」では、
男は「立つ側」(縦)であり、女は「寝る側」(横)であり、
性器の形態も、男性器は縦、女性器は横となっています。
この「男と女」の関係は「神と人」の関係の相似になっています。
(図2・下段)
これらの「縦と横」という非対称性が、
世界の多様性の根源となっています。
図5 祭司と生贄
図2 縦と横の例
図6 祭司と生贄とその交わり
縦と横とその交わり
図3のように、「縦と横」に加えて、「交わり」があります。
山と海の交わりが「地」、
火(養分)と水(水分)の交わりは「血」、
というようになります。
同様に男女の交わりは愛であり、
(子は男女間の愛の「肉を受けた形態」です。)
神と人の交わりが、神であり(縦)、人であり(横)、
愛であるイエス・キリストとなります。(図3・中段)
「教師と生徒」、「監督と選手」、「上司と部下」などの関係も、
この「神と人」、「男と女」の関係と同じ型となっています。
また、図3・下段のように、「三位一体」は、
「父(縦)、子(交わり)、聖霊(横)」
という関係になっています。(ヘブライ語で、聖霊は女性格。)
(三位一体については、後ほど詳しく説明します。)
聖と義
図4のように「目的と手段」、「価値と技術」なども、
「縦と横」の関係になっています。
縦は「目的、価値」に関わることであり、
「ヘブライズム(ユダヤ的)」、「教会」的なことを示します。
横は「手段、技術」に関わることであり、
「ヘレニズム(ギリシア的)」、「大学」的なことを示します。
祭司と生贄
図5・上段のように、「縦と横」の関係は、
「祭司と生贄」の関係にも対応しています。(図5・上段)
「農夫 (縦)と土地(横)」、
「演奏者(縦)と楽器(横)」、
というように、
「何かをする 」方が「縦」で「祭司」、
「何かをされる」方が「横」で「生贄」、
という関係になります。(図5・中段)
そして、「何かをする」ということは、すべて、
この「祭司が生贄をさばく」という形になっています。
(「縦と横が交わる」)
「歯 (祭司、縦)で、食べ物(生贄、横)を噛む」、
「包丁 (祭司、縦)で、肉 (生贄、横)を切る」、
「バット(祭司、縦)で、ボール(生贄、横)を打つ」、
というようなことも同じ型になっています。
また、直接、目に見えないような「作者が作品を作る」
というような場合も、「作者(祭司)、題材(生贄)」
という関係にあります。
同様に、「男(祭司)、女(生贄)」という関係があります。
(図5・下段)
祭司と生贄とその交わり
図6のように、
祭司と生贄の交わるところに「産物」、「恵み」が生じます。
「霊(縦、祭司)」と「肉(横、生贄)」の結合によって、
「新たな存在」が生み出されることになります。
「三欲求」と十字
図7・上段のように、
「食欲(食べる)、睡眠欲(寝る)、性欲(性交)」
という基本的な三欲求は、それぞれ「縦、横、交わり」に対応します。
「食べる」ということには、「祭司性、男性性」があり、
「寝る」ということには、「生贄性、女性性」があります。
(図7・下段)
祭司と生贄が、縦と横に交わることによって、
互いが一体化し、上げられて形を持つことになります。
(性交に対応。一体化、昇天、仕上げ、神のものとなる。)
あらゆる行為が、この、「食べる、寝る、性交」と同じように、
「祭司、生贄、交わり」という型を持っており、
祭司と生贄が交わって一体化することで、
「何かがなされる」、「何かが作られる」ことになります。
図7 「三欲求」と十字
図8 祭司であり生贄であるキリスト
縦と横
図1は世界史の十字図ですが、
この十字における「縦」と「横」に関して見ていきます。
祭司であり生贄であるキリスト
図8のように、
最大の祭司であり(縦)、かつ、最も聖なる生贄である(横)が、
イエス・キリストとなります。
十字架のイエスは、
立てられるという祭司性(縦)と寝かされるという生贄性(横)を、
同時に有していることを示しています。