第1部 第五章 (4)世界史における聖と義
図4 世界史における「縦」
図1 身体と世界史
図3 世界史における縦と横
身体と世界史
図
人体に当てはめると図1のようになります。
「頭」はエデンにおける無垢な知恵、(右脳的)
「霊」は新天新地における完成された知恵、(左脳的)
に対応し、「霊」の段階であり、
「頭」と「心」が一致した状態となります。
図5 世界史における「横」
図2 各部位と世界史
図6 イエスへの収束
各部位と世界史
図2は、世界史と身体を対応させたものです。
頭
アダムが知恵の実(頭)によって神に反逆したことで、
エデンを追放され歴史が始まるときです。
左手
アブラハムによる人類の洗礼(水、包まれる)の
ときです。
足
イエスが足に降臨(「生まれ落ちる」)ときです。
右手
イエスが再臨し、右手で雲の中に引き上げるときです。
霊
頭(上)と心(中心)が一致するときで、
神の下での知恵で永遠の状態が実現するときです。
心臓
中心であり、霊的には心、肉的には心臓です。
血液を体を生かすように、霊の源泉であり、
すべてが生きる源泉です。
イエスの座であり、
「尽きることのない泉」(ヨハネによる福音書)
を示します。
血
キリストの霊であり、キリストの血です。
養分(火、パン)、水分(水)であり、
老廃物の除去する「清め」であり、
免疫・防衛をつかさどる「砦」です。
これらの血を示す「パン、水、清め、砦」は、
同時に、キリストを示す言葉になっています。
世界史における縦と横
図3のように、世界史の展開には、
「縦」と「横」の2つの展開があります。
これから、それぞれについて見ていきます。
世界史における「縦」
図4は世界史における「縦」の事柄を示したものです。
アダムの反逆
図4の「中心から上への矢印」は「アダムの反逆」
を示します。
「中心(エデン、無垢な心)から頭(知恵)へ」
の移行であり、
「禁じられた知恵の実を食べたこと」
を示します。(心と頭の分離)
これは上へ向かう高ぶりであり、原罪であり、
これによってエデンを追放され歴史が始まります。
イエスの贖(あがな)い
図4の「中心から下への矢印」は「イエスの贖い」
を示します。
中心(神の座)から足(下、地上)への移行であり、
イエスの受肉、降臨を表します。(「子宮から足へ」)
アダムの上への高ぶりに対して、
イエスは下へ、へりくだっています。
汚れた足を清めるときであり、
イエスは使徒の足を洗ったように、
人類の足を洗って清めるときです。(原罪への贖い)
また聖書に「ヘビにかかとを砕かれる」とあるように、
「かかと」のときであり、「くだかれる」とは、
イエスの生贄としての刑死に対応します。(受難)
原罪と贖い
図4・左の下に向かう矢印のように、
この縦の方向は「アダムの反逆」から、
それに対する「イエスの贖い」という方向となります。
アダムもイエスも中心から、
それぞれ、上、下に向かっているのは、
二人は人からではなく、神から来たことに対応します。
聖書にイエスが「第二のアダム」
と述べられているのは、このことに対応します。
(上に高ぶったアダム、下にへりくだったイエス。)
世界史における「横」
図4は世界史における「横」の事柄を示したものです。
アブラハムから全人類へ
図4の左から右に向かう矢印は、
「アブラハム(左端、個人)」から、
「イエスの再臨(右端、全体)」まで向かう流れを
示しています。
「身体・民族・土地」と言った狭く土着的な状態から
「経済・通貨・流通」と言った広く世界規模な状態
への移行となります。(都市化、グローバル化)
「肉」から「石」へ
「身体的な柔らかいもの(肉)」(十字・左)から
「経済・貨幣的な固いもの(石)」(十字・右)への
移行となります。(集約)
「農業(農産物、肉)から商業(貨幣、石)へ」
を表し、一個人(アブラハム)から始まり、
ユダヤ民族、教会などの組織を経て、
全世界へと広がる過程となります。
「媒体」、「生贄」も、
「左」の「身体(肉)」(衣食住)に関わる
「動物や農産物」から、
「右」の「経済(石)」(技術)に関わる
「貨幣、ボール」へと変遷していきます。
兵器も右に行くほど、鋭く固くなり、原水爆に至り、
媒体は石の貨幣、技術は精密化していきます。
競技(祭事、供犠)も、
「格闘技」(肉)から「球技」(石)となり、
ボールも小さく固くなります。
「肉」は個別性・主観性を示し、
「石」は全体性・客観性を示します。
「肉から石へ」が「アブラハムから全世界へ」
に対応しています。
この「肉」と「石」の、ちょうど中間が「人」であり、
イエス・キリスト降臨に対応します。
水の裁きと火の裁き
左は「水の裁き(洗礼)」に対応し、
右は「火の裁き(精錬)」に対応します。
(後に詳しく説明。)
図5 縦と横の要素
図7 聖と義
図8 立体図
図9 方向と性質
図5 歴史の過程と完成
イエスへの収束
図6のように、世界史の展開には、
「縦」と「横」の大きく2つの方向があります。
「原罪→贖い」(縦)
「縦」はアダムによる反逆・原罪から、
イエスの降臨による救いという方向であり、
「神と人、救い、聖」の方向です。
「アブラハム→全人類」(横)
「横」はアブラハムによるユダヤ人の始まりから、
イエスの再臨による宣教の完成という方向であり、
「人と人、裁き、義」の方向です。
縦と横の要素
「縦」と「横」をまとめると図5のようになります。
縦
・「アダムの傲慢」から「イエスのへりくだり」へ
(無垢、知恵の実」から「イエスの処刑、十字架」へ)
横
・「アブラハム」から「全人類」へ
(「一人の体」から「世界全体、クラウド」へ)
聖と義
縦と横はそれぞれ図7のような性質を持ちます。
縦は「聖」であり、横が「義」となります。
(「聖」と「義」については後に詳しく説明)
「聖」は「原罪と贖い」、「価値」、「目的」に関わり、
「義」は「個人と全体」、「手段」、「技術」に関わります。
「聖」はヘブライムズ(教会的なもの)であり、
「義」はヘレニズム(大学的なもの)となります。
縦の「聖」と横の「義」が交わるところが愛となります。
立体図
図8は歴史の過程の立体図です。
この立体図において、
各方向の性質について見ていきます。
方向と性質
図9本体の図のように、
立体には3つの方向があります。
「1 天地」、「2 上下」、「3 右左」
の3方向です。
それぞれの性質は、
「1 天地」
・天 … 「普遍性」
・地 … 「個別性」
「2 上下」
・上 … 「神性(天)」(自然)
・下 … 「人性(地)」(政治)
「3 左右」
・右 … 「男性性(縦)」(経済)
・左 … 「女性性(横)」(身体)
という傾向を持ちます。
普遍性が高いほど、
「強く広範」に影響が及びます。
また、中心(天地の軸)に近いほど、
「聖」なる状態(神に近い)を示します。
(聖俗に関しては後に詳しく説明)
このような方向によって性質が異なることで、
それぞれの位置・状況による違いが生じています。
歴史の過程と完成
図5のように、
歴史の過程は十字の四隅を満たしながら、
段々と高くなっていきます。(普遍性の増大)
そして、最後は
「中心(聖)かつ高い(強い、広い)」
という状態に至ります。(自由、霊、新天新地)